見える化システム
 

JAGES HEART

JAGESでは、健康とくらしの調査を用いて、地域分析のための「見える化」システムを構築しています。JAGESの見える化システムの名称を「地域マネジメント支援システム(英語表記:JAGES HEART)」として、主に行政向けに提供しています。
地域マネジメント支援システムは、介護保険者の介護保険事業計画策定に活用することが可能であり、介護予防・日常生活圏域ニーズ調査の項目を中心として指標が掲載されています。保険者機能強化推進交付金への評価、一般介護予防事業評価事業への活用にも活用できます。また、介護予防だけでなく、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施へも活用できるように、健診データとの連携にも着手しました。
その他、通いの場関連指標(介護保険事業計画)、防災指標(地域防災計画)、自殺対策指標(地域自殺対策計画)の行政が策定する各種計画等に役立つことができるようなシステム開発・研究を行っています。


地域マネジメント支援システム(JAGES HEART)の種類
地域マネジメント支援システム(JAGES HEART)の種類' title='地域マネジメント支援システム(JAGES HEART)の種類
指標の信頼性と妥当性の評価
下記の論文の表1をご覧ください。
  • 井手一茂,鄭丞媛,村山洋史,宮國康弘,中村恒穂,尾島俊之,近藤克則:介護予防のための 地域診断指標-文献レビューと6基準を用いた量的指標の評価.総合リハビリテーション.46(12):1205-1216,2018.
  • 井手一茂,宮國康弘,中村恒穂,近藤克則.個人および地域レベルにおける要介護リスク指標とソーシャルキャピタル指標の関連の違いーJAGES2010横断研究ー.厚生の指標65(4):31-38 2018.
 

地域マネジメント支援システム(JAGES HEART)を活用した事業

JAGESでは、主に健康とくらしの調査において地域マネジメント支援システムを活用して自治体との協働を推進してきました。その中で、介護予防・日常圏域ニーズ調査データや国保データベース(KDB)データを活用した「見える化」のニーズが高まってきたことに応えるため、JAGES HEARTを活用した事業を健康とくらしの調査を含め4種類行っています。


JAGES「見える化」事業比較表

事業名

使用
システム

特徴

使用するデータ

価格の目安

健康と暮らしの調査

Motion Board

介護予防・日常生活圏域ニーズ調査(以下、ニーズ調査)項目に研究者や参加市町村からの提案を加えた項目。特に、ニーズ調査だけに比べて要因分析に使える指標が豊富。市町村の独自項目があること(市町村独自項目の「見える化」は行いません)、要因に関する指標が多いことから、深堀分析や事業の効果評価など、様々な用途への応用がしやすい。
また、防災やサロン(通いの場)等についての指標があり、他機関との連携への手がかりにしやすい。

ニーズ調査項目
+
市町村追加項目
+
研究者追加項目

2019年調査の場合、1票当たり1,200円程度。

保健・医療・介護データ

の一体的分析

Motion Board

Motion Boardを使用。介護データ以外も取り込むので、介護分野だけでの部分最適でなく、保健・医療分野も含めた全体最適を見ることができる。このため、部署横断的な利用なども可能。

ニーズ調査項目
+
KDB

圏域数によって決まる。200万程度~1000万円超まで。

300BM

(Motion Board

Motion Board

Motion Boardを使っている分、機能が豊富。また、ニーズ調査項目に加え、公表されているデータも読み込んでいるため、参考にできるデータ(項目数)が多い。要因に関連する指標が少ないため応用はしにくいが、ニーズ調査をはじめ、国に提出したり、すでに自治体で保有・公開しているデータの活用を行うには向いている。

ニーズ調査項目

公開データの
取り込み

圏域数によって決まる。
200
万程度~600万円程度が目安

300BM

(Instant Atlas

Instant Atlas

他市町村と比較してニーズ調査データを活用できる。2018年までJAGESで使用していたシステムを使うので、過去の調査に参加した自治体にとっては馴染みがある。搭載する指標が最も少ない分、費用は安く済む。ただし、特に要因分析に使える指標が少ないことから、応用が難しい。

ニーズ調査
項目のみ

圏域数によって決まる。
60
万程度~400万円程度が目安


 

地域マネジメント支援システムを用いた市町村支援の事例


介護予防政策には「課題の設定」「介入施策の立案」「プログラムの実施」「効果評価」という一連の流れがあります。これらの各プロセスを直線的にではなく、循環的に進めていくことにより、中・長期的な視点での介護予防の推進や健康格差の是正に取り組むことが大切です。

  • 辻大士, 宮國康弘. 今こそ地域診断~介護予防編~: 地域マネジメント支援システム等を用いた地域診断の進め方. 月刊地域医学 32(10): 42-49, 2018.
  • 安保育子, 中村廣隆, 大戸好穂, 加藤木かおり, 大河原亜矢子, 日比野津貴子 : 多機関における地域診断の研修実践報告-都市部委託型地域包括支援センターが主催する研修方法について-,東海公衆衛生雑誌6(1),2018.
  • 中村廣隆, 小嶋雅代, 村田千代栄: 住民主体の介護予防に向けた取り組み 地域課題の共有するワークショップを通じて. 東海公衆衛生雑誌 4 (1): 55-59, 2016
  • 山谷麻由美,近藤克則,近藤尚己,荒木典子,藤原晴美:長崎県松浦市における地域診断支援ツールを活用した高齢者サロンの展開 -JAGESプロジェクト-,日本公衆衛生雑誌,63(9):578-585,2016 (査読有)
  • 岡田栄作, 杉田恵子, 櫻木正彦, 尾島俊之, 近藤克則:福祉の現場から 地域包括ケアシステム構築のための地域診断活用支援プログラム開発の試み, 地域ケアリング:18(1), 56-60, 2016 (査読無)
  • 鈴木佳代,近藤克則【特集論文】:見える化システム JAGES HEARTと用いた介護予防における保険者支援. 医療と社会24 (1):75-85. 2014.
研究プロジェクト
 
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