1年間サロンに参加すると、電気代が約1,000円お得!?サロン活動による「ウォームシェア効果」が明らかになりました 2017年度、株式会社マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパンは環境省委託事業「低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)による家庭等の自発的対策推進事業」において、サロン活動による「ウォームシェア効果=サロン参加することで、暖房を共有して自宅の電気や暖房機器の電源を消すことにつながり、エネルギー消費、ひいては二酸化炭素の排出削減をもたらす効果」が得られることが分かりました。 2015年9月の国連総会で採択された持続可能な開発目標(SustainableDevelopment Goals, SDGs)にあるように、私たちは貧困、飢餓、健康、教育、ジェンダー、経済、環境といった地球規模の様々な問題への対処が必要です。これらの問題は相互に関連し合っているため、1つずつの解決策ではなく、共通項を見出し複数の問題を同時に解決するアプローチが早期かつ着実な目標の達成に不可欠です。特に健康に関わる生活習慣は発生させる二酸化炭素の量を大きく左右するため、生活習慣によっては地球温暖化の防止にも役立つ可能性があります。JAGESではこれまで、サロン活動による健康効果(要介護予防等)を明らかにしてきましたが、環境負荷軽減効果(二酸化炭素排出量減少)に関する知見はありませんでした。そこで本事業では、サロン活動による「ウォームシェア効果」の有無を明らかにするため、調査を行いました。 調査は2017年12月にJAGES参加自治体(A市)の協力のもと行われました。まず同市のサロン実施施設(2施設)において、サロン活動実施によって生じるサロン実施施設の追加電力等使用量を電力メーター等の実測により把握しました。-次に、サロン参加者28名にアンケートを行い、「自宅の電気や暖房器具の電源を消したか」「何台/何時間消したか」「サロンに来る際の移動手段は何か」について回答を得ました。最後に、サロン参加者の自宅で節約できた電力/灯油量をアンケートより計算し、サロン実施施設の追加電力等使用量との差分をとることによりウォームシェア効果を明らかにしました。
調査の結果、2回のサロン活動によるウォームシェア効果(二酸化炭素排出削減効果)は-4.6~-7.5kg-CO2であることが分かりました。参加者1人あたりに換算すると、-0.16~-0.26kg-CO2の排出削減効果となります。
得られたウォームシェア効果に基づき、電気代等の節約額を計算しました(詳細な計算過程は、最後に示す表に記載いたします)。月4回、1回○時間、1年間サロンに参加すると、参加者1人あたり813~1,087円の節約につながることが分かりました。市全体の節約額を計算すると、仮に1年間で延べ9,000人の参加を想定した場合、153,000~207,000円の節約になることが明らかになりました(JAGES参加市町村のサロン参加割合は15.7%であるため、仮に全国の高齢者の15.7%がサロンに参加した場合の全国の節約額は、9,608万円~1億2,999万円にものぼります)。
本調査の結果より、サロン活動への参加は健康によいだけではなく、環境にもよいことや、電気代等の節約につながることが初めて分かりました。
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