WHOとの共同研究(Agreement for Performance of Work: APW)

【プロジェクト名】
Research on improving measurement, research and knowledge translation to promote universal health coverage and healthy ageing in Japan.
(日本におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジおよび健康長寿社会に向けた評価手法および研究,ナレッジ・トランスレーションに関する研究: unofficial translation) 

【プロジェクト概要】
2011年よりJAGESはWorld Health Organization (WHO) 神戸センターと協働し,日本における高齢化の実証に基づいた政策立案の評価改良に取り組んできた.
2017年5月に開始した本プロジェクトでは,健康寿命延伸に向けた測定,研究及び既存研究の実用化のさらなる改善,および高齢化に向けた新WHOグローバル戦略目標のひとつであるUniversal Health Coverage (UHC)実現に向けた.枠組みの開発を目的としている.本プロジェクトの最終成果物であるモノグラフでは,JAGESプロジェクトの手法や業績,系統的なデータ収集方法,研究を目的としたデータ使用方法、そして日本におけるUHC及び健康寿命延伸のためにどのようにJAGES HEART (Health Equity Assessment and Response Tool)を開発し,国および地域レベルのプログラムや政策に活かしているか,について文書化し分析を行う.
これらに基づいて,国内および国際的なコンサルテーションを通し,他国でも適用可能な枠組みを導き出すと共に,インプリケーションについてもディスカッションする.

【契約期間】
2017年5月16日〜2018年5月15日

<参考URL>
高齢化に向けた新WHOグローバル戦略目標:http://who.int/ageing/global-strategy/en/
JAGES HEART (Health Equity Assessment and Response Tool) :http://www.who.int/kobe_centre/ageing/j_ages_heart/ja/

<WHO神戸センターウェブサイトに本研究が掲載されました>
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Expert Consultationを開催:2017年12月18日(WHO神戸センター)

JAGESでは、WHO神戸センターとの共同研究“日本におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジおよび健康長寿社会に向けた評価手法および研究、ナレッジ・トランスレーションに関する研究”を進めています。

ナレッジ・トランスレーションとは、直訳すれば「知識の移転・翻訳」になりますが、移転・翻訳に限らず、“know - do”のギャップ縮小のために着目されてきたパラダイムです。“世界的に、そして地域レベルでのヘルスシステム強化、および人々の健康改善をさらに推し進めるために、ステークホルダーにより知見を統合、相互交換し適用すること”と定義されています(1)。そのためには、社会的背景や行政関係者と研究者間の関係構築、科学的根拠の形成と知見発信、行政関係者の科学的知見活用に係るキャパシティ・ビルディング、そしてその過程の評価が求められます(2)。

AGES/JAGESは、健康長寿社会を目指した予防政策の科学的な基盤づくりを目的として1999年に愛知県の2市町村から始まり2016/17年度には全国41市町村で展開される大規模プロジェクトに発展しました。このプロジェクトから得られた科学的知見や地域づくりによる介護予防、「見える化」システム、健康格差対策などは、多くの市町村や国の介護予防政策、「健康日本21(第2次)」などに反映されてきました。約20年に渡り継続してきた取り組みは、国際的に見ても、ナレッジ・トランスレーションのグッド・プラクティスと評価されました。
 本研究では、AGES/JAGESのナレッジ・トランスレーションのプロセスや鍵となる要因(key factors)を明文化した論文(モノグラフ)にまとめることを目的としています。そして、AGES/JAGESの経験が、先進国のみならず急速に高齢化が進む中進国、発展途上国における健康長寿社会実現に寄与することが期待されます。

【Expert Consultationの概要】
AGES/JAGES関係者間で議論を重ね、作成したモノグラフ第1草稿をより良いものにするために,外部の専門家から意見をいただくExpert Consultationを2017年12月18日にWHO神戸センターで開催しました。
韓国のYonsei大学からEun Woo Nam教授、シンガポールのTsao Foundationから同財団のCEOであるPeh Kim Choo様、マレーシア国民大学からはShamsul Azha Shah教授、そして国内からは、国立国際医療研究センターの野田信一郎先生、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の藤並祐馬様を招聘しました。

                     


本会議では、第1草稿を基に、AGES/JAGESのナレッジ・トランスレーションを応用可能な形で世界に発信するにはどのように改善すべきか、を主な論点として意見交換を行いました。章構成や、モノグラフのターゲット読者の再確認に加え、研究者に求められるステークホルダー間のコーディネート機能についても討論されました。中進国、発展途上国の第一線で活動をされている方々から貴重なアドバイスを得る一日となり、AGES/JAGESのこれまでの経験をどのように世界に発信していくか、再考する機会になりました。
今後、本会議でのフィードバックを基に、原稿の改訂を進めていきます。完成版は2018年5月以降に、発表される予定です。

    


1.Pablos-Mendez A, Chunharas S, Lansang MA, Shademani R, Tugwell P. Knowledge translation in global health. Bulletin of the World Health Organization. 2005;83(10):723.
2.Ellen ME, Panisset U, Araujo de Carvalho I, Goodwin J, Beard J. A Knowledge Translation framework on ageing and health. Health policy (Amsterdam, Netherlands). 2017;121(3):282-91.